鍼灸聚英を読んでいて竇漢卿に関する部分を見つけたので補足としたい。
以前の部分で竇氏八穴に言及したが、それに関しての記述だ。まず以前言及した部分をリンクしておく。
http://d.hatena.ne.jp/kyougetu/20081220
ここ最近展開している内容が標幽賦であるゆえに、何度も竇漢卿という人となりと標幽賦の出典について触れざるを得ないのだが、ある程度勘弁していただきたい。なにしろ700年近い年月を経てきた歌賦であることから様々な所で触れられている。出来るだけ、そういった一連をフォローして行きたいのだが、それのみに集中する訳にも行かず、このような補足という形式で追記して行こうと考えた。
竇漢卿の大きめの肖像画も再度掲載したい。同時に掲載し忘れていた孫思邈、楊継州の肖像画も掲載する。双方とも鍼灸の古典を研究している中国のサイトにあったものだが、とりあえず想像図という事で納得していただきたい。当時の物とはちょっと考えにくい。だが、イメージを補うものとして楽しめると思うので敢えて置いておこうとおもう。ついでだらけで失礼かもしれないが、中国で出土した青銅器の古代九針の写真もあるので、ついでに。




 
さて、竇氏八穴だが以下に抜粋する。
 
窦氏八穴
(或云.少室隐者之所传.刘氏曰.八穴用为辅治.非拘于法取者也.)
公孙(足太阴脾.通冲脉.合于心胸.主治二十七证.)
九种心痛 心胃 痰鬲涎闷 心胸 脐腹痛胀 三焦胃 胁肋疼痛 心脾 产后血迷 心主 小肠心 水隔酒痰 肝胃 中满不快反胃呕吐 胃 腹胁胀满痛 脾胃 肠风下血 大肠包络 脱肛不收(大人小儿) 大肠肺 气隔 心肺 食隔不下 胃脾食积疼痛 胃脾 癖气小儿食癖 小肠心主 儿枕痛(妇人血块) 小肠三焦 酒癖 胃三焦 腹鸣 小肠胃 血刺痛 肝脾 小儿脾泻 脾肾 泻腹痛 大肠胃胸中刺痛 心 疟疾心痛 心包络
上病公孙悉主之.先取公孙.后取内关.
内关(手厥阴心包络.通阴维.主治二十五证.)
中满不快 心胃 伤寒 心主 心胸痞满 肝胃 吐逆不定 脾胃 胸满痰隔 肺心腹痛 肺九种心痛 心主胃 胁肋痛 肝胆 妇人血刺痛 心肝 肠鸣 大肠 积块痛 肝 男子酒癖 脾肺 二膈并心下痞痛 心脾胃 气膈食不下 胃心肺 腹肋胀痛 脾胃心主 肠风下血 大肠 伤寒结胸 胃 里急后重 小肠 食膈不下食 心主胃 疟寒热(新添有验)
上病证.内关悉主之.
临泣(此足临泣也.足少阳胆经.通带脉.合于目.上走耳后颊颈缺盆胸鬲.主治二十五证.)
足趺肿痛 胃 手足麻 小肠三焦 手指颤掉 肝心主 赤眼冷泪 膀胱 咽喉肿痛 三焦 腿胯痛 胆 脚膝肿痛 胃肝 四肢不遂 胆 头风肿 膀胱 头顶肿膀胱 浮风瘙痒 肺身体肿 肾胃 身体麻 肝脾 头目眩 膀胱 筋挛骨痛 肝胃 颊腮痛 大肠 雷头风胆 眼目肿痛 肝心 中风手足不举 肾 耳聋 肾胆
上列病证.临泣悉主之.先取临泣.后取外关.
外关(手少阳三焦经.通阳维.主治二十七证.)
肢节肿痛 肾 肾膊冷痛 三焦 鼻衄 肺 手足发热 三焦 手指节痛不能屈伸 三焦遂胆胃 筋骨疼痛 肝肾 迎风泪出 肝 赤目疼痛 肝心 腰背肿痛 肾手足麻痛并无力 胃 眼肿 心 头风掉眩痛 膀胱 伤寒表热 膀胱 破伤风 肝胃 手臂痛 大肠三焦 头项痛 小肠 盗汗 心主 目翳或隐涩 肝产后身肿 胃肾 腰胯痛 肾 雷头风胆
上病证.外关悉主之.
后谿(手太阳小肠经.通督脉.合于内 .走头项耳户膊小肠膀胱.主治二十四证.)
手足挛急 肝 手足颤掉 肝三焦 头风痛 三焦膀胱 伤寒不解 膀胱 盗汗不止 肺心喉闭塞 肾肺胃 颊腮肿痛 胃小肠 伤寒项强或痛 膀胱 膝胫肿痛肾 手足麻 胃眼赤肿 肝心 伤寒头痛 膀胱 表汗不出 肺胃 迎风泪下 肝胆 破伤风搐 肝 产后汗出恶风 肺 喉痹 肺肝 脚膝腿疼 胃 手麻痹大肠
上病后谿穴主之.先取后谿.后取申脉.
申脉(足太阳膀胱经.通阳跷.主治二十五证.)
腰背强痛 膀胱 肢节烦痛 肾肝 手足不遂 胃肺 伤寒头痛 膀胱 身体肿满 胃面自汗 胃 癫痫 肝 目赤肿痛 膀胱 伤风自汗 胃 头风痒痛 胆眉棱痛 膀胱雷头风 胆 手臂痛 大肠 臂冷 三焦 产后自汗 肾 鼻衄 肺 破伤风 肝 肢节肿痛肾肝 腿膝肿痛 胃 耳聋 肾 手足麻 胆 吹奶胃 洗头风 膀胱 手足挛 肝肾产后恶风 肾
上病.申脉穴主之.先取申脉.后取后谿.
列缺(手太阴肺经.通任脉.合肺及肺系喉咙胸鬲.主治三十一证.)
寒痛泄泻 脾 妇人血积痛或败血 肝 咽喉肿痛 胃 死胎不出及胎衣不下 肝 牙齿肿食噎不下 胃 脐腹撮痛 脾 心腹痛 脾 肠鸣下痢 大肠痔痒痛漏血 大肠 心痛温痢 脾 产后腰痛 肾肝 产后发狂 心 产后不语 心包络 米谷不化 脾 男子酒癖胃肝 乳痈肿痛 胃 妇人血块 肝肾温病不瘥 胆 吐逆不止 脾胃 小便下血 小肠小便不通 膀胱 大便闭塞 大肠 大便下血 大肠 胃肠痛病 心胃 诸积 心胃
上病.列缺悉主之.先取列缺.后取照海.
照海(足少阴肾经.通阴跷.主治二十七证.)
喉咙闭塞 胃 小便冷痛 肾肝 小便淋涩不通 膀胱 妇人血晕 肝肾 膀胱气痛膀胱 胎衣不下 肝 脐腹痛 脾 小腹胀满 小肠 肠 下血 大肠饮食不纳反胃吐食 胃男子癖并酒积 肺肝 肠鸣下痢腹痛 大肠 中满不快 胃 食不化 胃 妇人血积 肾心儿枕痛 胃肝 难产 肾肝 泄泻 脾 呕吐胃 酒积 脾 气 胃 气块 脾肝肾酒痹 胃肝 气膈 心主 大便不通 大肠 食劳黄 脾胃 足热厥 心主
上病.照海悉主之.先取照海.后取列缺.
上法.先刺主证之穴.随病左右上下所在取之.仍循扪道引.按法祛除.如病未已.必求合穴.未已则求之.须要停针待气.使上下相接.快然无其所苦.而后出针.

按此八穴.治法溥博.亦许学士所谓广络原野.冀获一免者也.

こちらは鍼灸聚英の第二巻に納められている。内容だが、標幽賦の方の後の方のセンテンスで触れて行く奇経八脈関連の所で抜粋している竇漢卿の書である針経指南という書物の定八穴所在という一文の改訂であろう。こちらは該当するセンテンスの解析の部分を乗せた時に詳細に言及したいと思っている。書かれている事はほぼ同様なので、先に見ておくと解りやすいかもしれない。
標幽賦の分解と検証なのだが、こうやってアップしているのは随分前に書いていて、何度も再検証して現時点で納得出来た部分を載せて行っているため、実際に書いている部分はもう少し先になる。この辺りはこちらの事情でしかないのだが、一応書いておこうと思ったので。それはさておき、標幽賦は以後、奇経八脈を主体に治療法が展開して行くのだが、ここで扱われる奇経八脈は内容的に重要極まりないので、補足と言う形でいくつか書いておく必要を感じたのが今回の補足の主題となる。
奇経八脈に関しての初出は黄帝内経ということになるが、こちらには八脈の名称と、その生理に関して書かれているが具体的に解説される事は無かった。黄帝内経に書かれる物の多くが人体生理なのは知られている。また、素問に書かれる内容は刺絡が主体で鍼治療に関しては霊枢が詳しい。故に鍼経という名称もある。どちらかというと霊枢が鍼経の別名とされるようだが。これらに関しては専門サイトが沢山有るのでそちらを参考にされたい。
そして奇経を集中的に解説したのが難経とされる。こちらも同様。ここでは詳細は書かない。理由は右に有るプロフィールを参考。
さて、鍼灸の古典全てが完全に現存している訳ではない。中国では王朝が変わる度に前の文化の否定が行われ、多くの書物が焼き捨てられたようだ。一部の書物は海外に輸出されたことで難を逃れ現存に至る。海外に渡って散逸を逃れた一例を挙げるとすると、以前にも出した千金翼方は日本に残っていた為に今に伝えられる。また、有名な物だと黄帝内経太素がある。こちらの写本は仁和寺に残され国宝に指定されている。太素の詳細は専門サイトでどうぞ。またこの写本を元にした本も有るので興味の有る方はどうぞ。

黄帝内経太素―仁和寺本写

黄帝内経太素―仁和寺本写

そういう訳で、古典は散逸しているもの、写本として海外に渡って現存しているが完全とは言えないものも多く、そういった物の中に埋もれてしまったのが奇経八脈の流注だったとされる。コレが明確に記されていたであろう書物が「明堂孔穴」とされるが、これも散逸している。しかし、重要な部分が甲乙経に抜粋されて残されており、これを中心に、他の医学書において奇経に関して書かれた部分を参考に奇経の流注と主治を再現した書物が奇経八脈考という物だ。これは和訳が有るのでそちらを参考にしていただきたい。
現代語訳 奇経八脈考

現代語訳 奇経八脈考

その奇経に関しては大成でも記述が有り、七巻(九巻とする物も有り)に督脈、任脈の走行と、奇経八脈歌、そして流注が書かれている。歌、流注の双方を抜粋したい。

奇經八脈歌 醫經小學
督脈起自下極腧, 並於脊裏上風府, 過腦額鼻入齗交, 為陽脈海都綱要,
任脈起於中極底, 上腹循咽承漿裏, 陰脈之海贝所謂。 衝脈出胞循脊中,
從腹會咽絡口唇, 女人成經為血室, 脈並少陰之腎經, 與任督本於陰會,
三脈並起而異行。 陽蹻起自足跟裏, 循外踝上入風池。 陰蹻內踝循喉嗌,
本足陰陽脈別支, 諸陰交起陰維脈, 發足少陰築賓鹸。 諸陽會起陽維脈,
太陽之鹸金門穴, 帶脈周迴季恢間, 會於維道足少陽, 所謂奇經之八脈,
維繫諸經乃順常。

奇經八脈 簡要
督脈起於少腹以下, 骨中央, 女子入繫廷孔, 其孔溺孔之端也。 其絡循陰器, 合篡間,
繞篡後, 別繞臀, 至少陽與巨陽中, 絡者, 合少陰上股內後廉, 貫脊屬腎。
與太陽起於目內眥, 上額交巔上, 入絡腦, 還出別下項, 循肩膊內, 俠脊抵腰中,
入循膂絡腎, 其男子循莖下至篡, 與女子等, 其少腹直上者, 貫臍中央。
上貫心入喉, 上頤環唇, 上繫兩目之下中央。 督脈起於下極之腧,
並於脊裏上至風府, 入腦上巔, 循額至鼻柱, 屬陽脈之海, 其為病也。 脊強而厥,
凡二十七穴。 穴見前
任脈與衝脈皆起於胞中, 循脊裏, 為經絡之海, 其浮而外者, 循腹上行, 會於咽喉,
別而絡唇口, 血氣盛則肌肉熱, 血獨盛則滲灌皮膚, 生毫毛, 婦人有餘於氣。
不足於血, 以其月事數下, 任衝並傷故也。 任衝之交脈, 不營於唇口, 故髭鬚不生,
任脈起於中極之下, 以上毛際, 循腹裏上關元, 至咽喉, 屬陰脈之海, 其為病也。
苦內結, 男子為七疝, 女子瘕聚, 凡二十四穴。 穴見前
衝脈者, 與任脈皆起於胞中, 上循脊裏, 為經絡之海, 其浮於外者, 循腹上行,
會於咽喉, 別而絡唇口, 故曰衝脈者, 起於氣衝, 並足少陰之經, 俠臍上行,
至胸中而散, 其為病也。 令人逆氣而裏急。 難經則曰: 並足陽明之經, 以穴考之,
足陽明俠臍左右, 各二寸而上行, 足少陰俠臍左右各一寸而上行, 針經所載,
衝任與督脈, 同起於會陰, 其右腹也。 行乎幽門, 通谷, 陰都, 石關, 商曲, 盲俞,
中柱, 四滿, 氣穴, 大赫, 膻骨, 凡二十二穴, 皆足少陰之分也。
然則衝脈並足少陰之經明矣! 幽門巨闕旁 通谷上脘旁 陰都通谷下 石關陰都旁
商曲 石關下 肓俞商曲下 中注肓俞下 四滿中柱下 氣穴四滿下 大赫氣穴下
膻骨大赫下
帶脈者, 起於季恢, 迴身一周, 其為病也。 腹滿, 腰溶溶如坐水中, 其脈氣所發,
正名帶脈, 以其迴身一周如帶也。 又與足少陽會於帶脈, 五樞, 維道, 此帶脈所發,
凡六穴。 帶脈季恢下一寸八分 五樞帶脈下三寸 維道章門下五寸三分
陽蹻脈者, 起於跟中, 循行踝, 上行入風池, 其為病也。 令人陰緩而陽急, 兩足蹻脈,
本太陽之別, 合於太陽, 其氣上行, 氣并相還, 則為濡目氣不營則目不合,
男子數其陽, 女子數其陰, 當數者為經, 不當數者為絡也。 蹻脈長八尺所發之穴,
生於申脈, 本於僕參, 鹸於附陽, 與足少陽會於居壷, 又與手陽明會於肩襖及巨骨,
又與手太陽陽維會於臑俞, 又與手足陽明會於地倉及巨壷, 又與任脈足陽
明會於承泣。 凡二十穴: 壷音僚襖音魚 申脈外踝下 僕參跟骨上 附陽外跟上
居壷章門下 肩襖肩端 巨骨肩端 臑俞肩襖後甲骨上廉 地倉口吻旁 巨壷鼻兩旁
承江目下七分
陰蹻脈者, 亦起於跟中, 循內踝上行, 至咽喉, 交貫衝脈, 其為病也。
令人陽緩而陰急, 故曰蹻脈者, 少陰之別, 起於然谷之後, 上內踝之上, 直上陰,
循陰股入陰, 上循胸裏, 入缺盆, 上出人迎之前, 入鼻屬目內眥, 合於太陽,
女子以之為經, 男子以之為絡, 兩足蹻脈長八尺, 而陰蹻之鹸在交信, 陰蹻病者取此,
凡四穴。 照海內踝下 交信內踝上
陽維脈者, 維於陽, 其脈起於諸陽之會, 與陰維皆維絡於身, 若陽不能維於陽,
則溶溶不能自收持, 其脈氣所發, 別於金門, 鹸於陽交, 與手太陽及陽蹻脈會於臑俞。
又與手少陽會於臑俞, 又與手足少陽會於天壷, 又與手足少陽足陽明會於肩井,
其在頭也。 與足少陽會於陽白, 上於本神, 及臨泣, 目窗, 上至正營, 承靈,
循於腦空, 下至風池, 日月, 其與督脈會, 則在風府及巌門, 其為病也。 苦寒熱,
凡三十二穴。 金門足外踝下 陽交外踝上 臑俞肩後甲上 臑會肩前廉
天壷缺盆上 肩井肩頭上 陽白眉上 本神曲差傍 臨泣目上 目窗後臨泣後
正營目窗後 承營正營後 腦空 承靈後 風池腦空下 日月期門下 風府 巌門
陰維脈者, 維於陰, 其脈起於諸陰之交, 若陰不能維於陰, 則悵然失志, 脈氣所發,
陰維之鹸, 名曰築賓。 與足太陰會於腹哀, 大膻, 又與足太陰厥陰會於府舍, 期門,
與任脈會於天突廉泉, 其為病也。 苦心痛, 凡一十二穴。
築賓內踝上 腹哀日月下 大膻腹哀下 府舍腹結下 期門乳下 天突結喉下
廉泉結喉下

個人的に余り必要とは思えないのだが、一応解析してみたい。内容的には前記の奇経八脈考の和訳の方が遥かに詳しいので、正直言うと、そちらを参考にしてもらいたいのだが、自分でも標幽賦に触れていて、そちらで言及されている以上書くべきかと言う判断を下した。くどいようだが参照していただきたいのは和訳の本の方だ。

奇經八脈歌 醫經小學
奇経八脈歌 「医経小学」
督脈起自下極腧, 並於脊裏上風府, 過腦額鼻入齗交, 為陽脈海都綱要,
督脈は自ら下極兪から起こり、並びて背裏を風府にのぼり、脳、額を過ぎて齗交より鼻に入り、葉脈の海を成し都の要綱となる
任脈起於中極底, 上腹循咽承漿裏, 陰脈之海贝所謂。
任脈は中極の底より起こり、腹を上り喉を循り承漿の裏へ、陰脈の海となり妊娠する所と謂う。
衝脈出胞循脊中, 從腹會咽絡口唇,
衝脈は胞より出て脊柱を循り、腹に従って咽を連絡して口唇に会い、
女人成經為血室, 脈並少陰之腎經, 與任督本於陰會, 三脈並起而異行。
女人は経を為す血室を成し、少陰腎経の脈に並び、任督を与る会陰を本とし、三脈は並びて起こるも異なるを行く。
陽蹻起自足跟裏, 循外踝上入風池。
陽蹻は足跟の裏に起こり、外踝を循り上り風池に入る。
陰蹻內踝循喉嗌, 本足陰陽脈別支, 諸陰交起陰維脈, 發足少陰築賓鹸。
陰蹻は内踝を循り喉へ、足陰陽脈の本の別支で、陰維脈は諸陰が交わり、足少陰より発して築賓は郄穴
諸陽會起陽維脈, 太陽之鹸金門穴, 帶脈周迴季恢間,
諸陽の会は陽維脈より起こり、太陽の金門穴が郄穴、帯脈は季肋間を周回し
會於維道足少陽, 所謂奇經之八脈, 維繫諸經乃順常。
足少陽の維道にて会い、所謂奇経八脈は、諸経を繋ぐことを常とする。

ということで、かなりザックリではあるが読み下してみた。医経小学という書物に関しては日本の貝原益軒の書物などに散見されるように、日本にも伝来し多くの人に読まれているようだ。劉純という人が1388年に記した本で全六巻となる。日本には天保十年1893年の抄本が現存していると言う。詳細はこちらで。
http://51qe.cn/pic/20/17/11/13/17/016.htm
内容だが読んだ通り、流注と鍵となる経穴だ。途中の陰脈の海という下りは難儀したが、貝というのが姓という文字の言い換えらしい。発音はともにbei4で同じという事で妊娠を意味するものと解釈するらしい。また、書によっては妊と書かれている。手元の本ではどちらも有ったので面倒な方を書いておいた。というかコピーしただけなので楽な方を選んだと言うべきかもしれないが。
任脈の任もまた妊の文字を意味することから任脈の意味合いも推測出来よう。
他、大抵の部分が教科書の内容から逸脱する事が無いので、内容を察する事自体は簡単なのだが、これを読み下そうとすると一気に頭が痛い状態になるのはいつも通り。
これを基礎として奇經八脈 簡要を読んで行くと、こちらは更に詳細に経穴や主治が書かれていると解るだろう。こちらの読み込みは又いずれ。
 
雑では有るが、以上で一応の補足としておきたい。また必要が有る場合は補足を入れて行く。